1945年、東京大空襲から逃れ、東北の小さな村・神保井村に疎開してきた琴と妙の姉妹。そして、凛子とそのお世話係の加代。 彼女たちは親と離れ、慣れない土地で懸命に生きるも、村の子供たちから「東京モン」とからかわれ、なかなか馴染むことができずにいた。 同じく神保井村には、夫と息子が戦地に出征し、幼い娘を戦火の中で失った和泉幸（いずみ ゆき）も疎開してきていた。 幸は、次々と奪われる大切なものに思いを馳せながら、妹の夏と共に日々の生活を送っていた。 ある晩、琴と妙は神社で不思議な三人組と出会う。彼らとの出会いは、巡る季節を通じて奇跡の始まりであった。 やがて終戦を迎えて、何も変わらない村での日々に落胆する人々と幸を元気づけようと子供たちが立ち上がる。 村の人々の心に小さな希望の光を灯し、悲しみと喪失を抱えながらも、人々は少しずつ前を向き始める。 愛する人からの便りを待ち、帰りを待ち焦がれる者たち。不安な気持ちを乗り切ろうと、力強く「その時」を生き抜く人々の姿があった。 戦火を超えた奇跡の物語が、今ここに蘇る。