ユニユニは「プレゼント交換」を卒業します
今回、ジュニアミュージカル界の習慣となっている子供同士のプレゼント交換について、私の意見をまとめてみました。
この「プレゼント交換」は皆さんご存知なので省略させて頂きますね。
観に来て頂いたお客様に感謝の気持ちを。というのは間違いないのですが、むしろ「こんな素敵な公演に呼んで頂いて、ありがとう」と
言われるくらいのパフォーマンスをするべきであり、その対価がチケット代金であり、そして、お客様の心に残る作品創りが付加価値と
いう「贈り物」なのだと思っています。きっと、このことは皆様ご理解頂いていることだと思います。
自分がこれまで演出した作品や観劇に行った時にいつも思うのは、終演後のこのプレゼント交換という儀式のようなものが異様で、
未だに慣れません。
そして、いつもお母様方を心配している自分がいます。いつも本当に大変だろうな。と。。。
お母様も親として「わざわざ時間を割いて観に来てくれたお友達にお礼をしなくては」「お礼を頂いたらお礼を返さないわけにはいかい」など、色々な思いでお礼をしたいというお気持ちも十分に理解しています。
しかし、それが本当に全てなのか?と疑問でもあります。特に金銭的負担やご家庭の事情や価値観もそれぞれです。
今までのプレゼント交換は重荷だった方も少なくないはずです。
これが子役界の風潮となり、「周りがやっているからやらなくちゃ」というのもあると思います。
そして、お礼は子供から渡すべきという親御さんのお気持ちがいつの間にか「プレゼント交換」に発展していったのだと推測します。
煌びやかな舞台の世界、お友達の公演を観て自分もいつかこんな舞台に立ちたい!その時に見たプレゼント交換。キャストとお友達が
笑顔でプレゼント交換をする姿に憧れを抱くのも無理もない光景ですね。
そして、一種のステータスとなっているところもあるかもしれません。
子供達もお花や、プレゼントを貰うことが楽しみな事も理解していますし、差し入れやプレゼントを頂く事がいけないという事ではございません。また、もちろん、お世話になった恩師や特別な方への感謝の意は尊重していますので、こちらはご本人様にお任せしています。
舞台に立つというのは、日々のレッスン、そして血の滲むような連日の稽古を経て感じられる最高な場所です。
稽古中は小さい体で本当によく頑張るなといつも感心しています。
その頑張りを讃えられるように頂ける「歓声」と「拍手」で努力が報われるもの。
特別にお招きしたお客様から花束などでお祝いされ、本人にしか感じられない感情と達成感で包まれます。感無量なはずです。
しかし実際のところ、本番後はただのお祭り状態です。(俯瞰で見るとすごい画ですよ)当の子供達には親御さんの真意がねじ曲がり、ただの儀式となってしまったのではないでしょうか?
軽い「ありがとう」の言葉を交わし即プレゼントを交換し、写真を一枚。そして次の友達の元へ。そしてまた次へ。。。
気持ちのないこの流れが私には理解出来ず、異様と感じるのかもしれません。
これは、自分だけではなく他の舞台制作、団体、公演に携わる多方面からも耳にします。
そこで、ユニユニの公演ではこの「プレゼント交換」を卒業しました。(本公演が第一回公演ですが…)
終演後の出演者からのプレゼントはナシ!とさせて頂いおります。
貰えるはずのプレゼントがない!と不愉快になられましたら申し訳ございません。
時代は巡っています。この古い風潮から本来あるべき、演者としての心得とお客様への本当の感謝の気持ちを大切にしていけたらと思っております。価値観もそれぞれだと思いますが、これに多くの方が賛同し、新しい時代を一緒に築いて頂けたら幸いです。
今回の「メモリアポコ」には沢山のお客様がご来場されます。
そのお客様の心を揺さぶるような作品にしたいと全キャスト、スタッフで挑んでいます。
もし、お気に召して頂けた時は、大きな大きな拍手とスタンディングオーベーションでキャストたちを讃えて頂ければ本望です。
どうかお気軽に、お身軽でご来場くださいませ。
※今回出演して頂くキャスト・保護者様の皆様の合意のもと発表させて頂いております。
大塚幸太